悩んでいませんか? PMS(月経前症候群)-わたしの不調は冷え症[冷え性]から?-

悩んでいませんか? PMS(月経前症候群)-わたしの不調は冷え症[冷え性]から?-

生理前に心身の不調が現れるPMS(月経前症候群)。生理の1週間ぐらい前から、気分や体調がすぐれず、腹痛や腰痛、頭痛などを伴うこともあります。冷えや血行不良が原因となっている可能性もあるので、体を冷やさないようにする日常のケアはとても大切です。

PMS(月経前症候群)とは

腹痛 女性 イメージ

PMSってなんのこと?

PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる数日~10日前頃から現れる精神的または身体的な症状のことをいいます。イライラ、眠気、気分の落ち込み、過食といった精神的なものや、過食、倦怠感、めまい、のぼせといった自律神経症状、体のむくみ、吐き気、めまい、腹痛、乳房痛、肩こり、便秘といった身体的なものなど、人によってその症状の現れ方はさまざまです。また、立っているのもつらいほど症状が重い場合もあり、日常生活に支障が出ることもあります。生理のたびに同様の不調を感じるのであればPMSの可能性があります。
※PMS:pre-menstrual syndrome

PMSの症状は、月経開始とともに軽快ないし消失するため、一時だけの我慢だと思って、とくに対処していない人も多いようです。


症状があってもやり過ごす人がほとんど

ツムラの「PMS(月経前症候群)実態調査」では、10代から40代女性の2人に1人は「生理前」に不調を感じていることがわかりました。生理前の不調は、心と体の両面で見られますが、女性全体の平均でみると、多い順に「焦燥感・イライラ感」「眠気」「不機嫌」「腹痛」「便秘・下痢」「倦怠感」「肌荒れ・にきび」となっており、身体的にも精神的にもさまざまな症状がみられます。とくに30代以降では、精神的な不調である焦燥感・イライラ感や不機嫌などの症状が多くなっています。


「PMS(月経前症候群)実態調査」生理前の不調

生理前の不調 1位 焦燥感・イライラ感 26.0% 2位 眠気 23.7% 3位 不機嫌 23.5%

※「PMS(月経前症候群)実態調査」

  • 実施時期:2021年7月29日(木)~8月2日(月)
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:

    調査①=全国の10代(15歳~19歳が対象)~40代男女5000人
    調査②=生理前に不調がある10代(15歳~19歳が対象)~40代の女性800人
    年代別に200人ずつ。


また、PMSの症状がある女性の3人に1人は、天候変化で症状が悪化することも明らかになりました。PMSの症状がとくに重い女性では、台風などによる低気圧で「PMSの症状に影響がある」と回答した人が約7割、天候や気圧の変化とPMSの症状がある期間が重なると「最悪な状態」と回答した人が8割近くにのぼる結果となりました。

不調を感じている女性 イメージ

このほか、PMSを自覚する女性の6割以上が「PMSの対処法を知らない」と回答し、「寝る」「静かに過ごす」「我慢する」などの対処が上位となり、適切な対処を行っていないことも確認されました。


PMSの原因は?

PMSは、生理周期に伴う女性ホルモンの分泌量の大きな変動が原因といわれています。排卵後から生理までの約2週間程度の間(黄体期)、女性ホルモンの分泌に急激な変動があります。このとき脳内のほかのホルモンや神経伝達物質に影響を与え、さまざまな症状を引き起こすと考えられています。また、個人の体質や体調によっても、症状の現れ方や程度は違ってきます。

PMDD(月経前不快気分障害)とは

PMSのさまざまな症状のなかでも、イライラや気分の落ち込み、不安、怒りといった精神症状が強く現れている場合には、「月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder : PMDD)」の場合もあります。PMSには、身体症状と精神症状とを含めた幅広い症状がみられますが、PMDDには精神症状が強く現れます。また、この精神症状を自分でコントロールすることができず、周囲とトラブルになったり、日常生活に支障が出たりすることもあります。精神症状が強いと感じる場合は、病院を受診するようにしましょう。医師の診断のもと、漢方治療を用いる場合もあります。


漢方の考え方

漢方では、「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つの要素のどこにバランスの乱れがあるのかを見極め、症状の原因を探っていきます。

「き」「けつ」「すい」 イメージイラスト

※体を維持するための3要素「気・血・水」
気(き):体をめぐっているエネルギーを表します。
血(けつ):血液や血液によって運ばれる栄養素、熱を表します。
水(すい):体内の液体のうち、「血」を除いたもののこと。


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PMSは、子宮内膜や骨盤内の血液循環が変化するために血の流れが滞る「お血(おけつ)」や、血が不足する「血虚(けっきょ)」のほか、生理前のホルモンの変化に伴い、体内の「水」の流れが滞ったり「水」が偏在したりする「水毒(すいどく)」、「気」の流れに異常が生じる「気逆(きぎゃく)」「気滞(きたい)」など、その原因はさまざまです。

現れている症状をみていくと、どのバランスが崩れているかを知ることができます。ご自身でチェックしてみてください。

<「血」に異常がある場合>

「お血」・・・「血」の流れが滞る

  • 生理痛がひどい
  • 肌がくすみがち
  • シミ・そばかすが気になる
  • 青あざができやすい
  • 肩こりがつらい
  • 頭痛になりやすい

「血虚」・・・「血」が不足する

  • 生理が遅れがち
  • 血色が悪い
  • 貧血ぎみである
  • 肌が乾燥している
  • 爪が薄く割れやすい

<「水」に異常がある場合>

「水毒」・・・「水」の流れが滞るまたは偏在する

  • めまい、立ちくらみがある
  • むくみやすい
  • のどが渇く
  • ムカつきがある
  • 天気や気圧の変化で症状が悪化する

<「気」に異常がある場合>

「気滞」・・・「気」のめぐりが滞る

  • 気分が落ち込む
  • 頭が重い
  • のどや胸がつかえる
  • おなかが張る
  • ガスが多い

「気虚」・・・「気」が不足する

  • 体がだるい
  • 気力が出ない
  • 食欲がない
  • かぜをひきやすい
  • 声が小さい

「気逆」・・・「気」が逆流する

  • 冷えのぼせがある
  • イライラする
  • 発作的な頭痛がある
  • せきこんで顔が赤くなる
  • 手足に汗をかきやすい

※体を維持するための3要素「気・血・水」
気(き):体をめぐっているエネルギーを表します。
血(けつ):血液や血液によって運ばれる栄養素、熱を表します。
水(すい):体内の液体のうち、「血」を除いたもののこと。


タイプ別PMSのセルフケア

「お血」タイプのセルフケア -生理痛、頭痛、肩こり-

「お血」タイプの特徴的な症状は、生理痛がひどい、ふだんから頭痛や肩こりがつらいなどです。滞っている「血」のめぐりを良くするために、ステイホームで長時間の座りっぱなしは症状が悪化する可能性があるためNG。適度に体を動かす習慣が大切です。

ストレッチをする女性 イメージ

生理痛がつらい場合は、骨盤内の血行を良くするために軽いウォーキングやストレッチなどが効果的です。頭痛や肩こりがある場合は、仕事や家事の合間に、首のストレッチなどを行うようにしましょう。

食事のポイントは、ショウガやニンニク、山椒など体を温める香辛料を料理にとり入れること。ルイボスティー、紅花紅茶などを温めて飲むのがおすすめです。

ショウガ、ニンニク、山椒 イメージ イラスト

「血虚」タイプのセルフケア -疲れやすい、立ちくらみ、貧血-

「血虚」タイプの特徴的な症状は、生理の終わり頃から疲れやすさを感じる、立ちくらみや貧血があるなどです。また、生理中から生理直後は出血によって「血」が不足するので症状は重くなりがちです。

睡眠 イメージ

セルフケアのポイントは、睡眠をしっかりとること。夜更かしはNGです。また、生理中はとくに「血」を補う食べ物を積極的にとるようにしましょう。たとえば、レバーや赤身肉、ウナギのほか、なつめ、いちじくなどのドライフルーツ、ナッツ類、黒ゴマや黒豆、ひじきなど黒い食べ物などが、「血」を増やし、めぐりを良くします。

ナッツ類、黒豆、赤身肉、ウナギ イメージ イラスト

「水毒」タイプのセルフケア -むくみ、めまい、頭痛、冷え、吐き気、下痢-

「水毒」タイプの特徴的な症状は、むくみ、めまい、頭痛、冷え、吐き気、下痢などです。これは体の中の水分の流れが悪くなり、体のいろいろな部位に余分な水がたまって、偏在した状態になって現れる不調です。「水毒」の場合は、天気が悪くなるとだるくなる、台風がくると頭痛やめまいがするといった天候変化で悪化する天気痛も、PMSの不調として多いようです
※「PMS(月経前症候群)実態調査」より

湯船につかっている イメージ

「水毒」の場合は体が冷えることでも悪化しやすいため、お風呂で湯船につかって体を温めたり、体を冷やさないように重ね着をしたりすることがケアの重要なポイントになってきます。食事のポイントとしては、水分代謝を促す、ワカメ、昆布などの海藻類や豆類を多くとるように心がけましょう。胃腸の不調が気になる人は、大根や、かぶ、山芋、みそや納豆などの発酵食品がおすすめです。

ワカメ、大根、みそ、納豆 イメージ イラスト

「気滞・気逆」タイプのセルフケア -イライラ、気分の落ち込み-

「気滞・気逆」タイプの特徴的な症状は、生理前のイライラや落ち込みが激しい、ストレスがたまりやすいなど、精神面の症状が顕著に現れやすくなります。とくに、ストレスが「気」の流れを悪くするので、イライラしたり、気が塞いだりするときは、深呼吸をして、自分自身にリラックスを促すように心がけましょう。たとえば楽しいことを想像したり、好きな音楽を聴いたりして、気持ちを常にリフレッシュするようにしてください。また、不規則な生活を避けるために、予定を入れ過ぎて忙しくならないようにすることが大切です。

音楽を聴いている イメージ

食材では、シュンギクなど香りのある香味野菜、柑橘類、酢などが、「気」をめぐらせ、ストレスの改善に役立つので、積極的にとるようにしましょう。ハーブを料理に用いたり、お茶にして香りを楽しんだりするとよいでしょう。香りが効果的なので、お風呂で温まったあとに、アロマオイルでマッサージするなど、ゆったりとした時間を作ってみてください。

シュンギク、柑橘類、酢、ハーブ イメージ イラスト

「気虚」タイプのセルフケア -食欲減退、疲れやすい、だるい-

「気虚」タイプの特徴的な症状は、食欲減退や疲れやすさ、だるさを感じるなどです。睡眠と栄養をとることが一番ですが、胃腸の調子が良くない場合もあるので、消化の良いものでエネルギーを補いましょう。なんとなく疲れがとれない状態が続いているときは、無理をせず、休息をとることが大切です。「気」の不足が続くと、「血虚」もまねき、冷えの症状がひどくなったり、栄養も行き渡らず、より疲れやだるさを感じたりします。

休息 イメージ

「気」を効果的に補う食材としては、シイタケ、しめじなどのキノコ類がおすすめです。お味噌汁の具にすると、体も温まって効果的です。また食欲がなくても、できるだけ朝食をとる習慣をつけるようにしましょう。

しめじ、シイタケ イメージ イラスト

冷えによって悪化しやすいPMS

生理不順や生理痛など生理に関係する女性特有の症状は、冷えの影響を受けやすいといわれています。PMSの症状も、冷えがあると、とくに症状を悪化させてしまいます。冷えの現れ方から体のどこでバランスが崩れているかを確認し、体を温めるケアをとり入れてみましょう。

「お血」は、疲労、冷え、ストレスなどで「血」のめぐりが滞っている状態です。とくに、手足の先端が冷えやすい人は、体のすみずみまで「血」が行き渡っていないと考えられます。手足の先まで「血」のめぐりを良くするために、入浴で湯船にゆっくりつかったり、足を温めるストレッチを行ったりして、温めるようにしましょう。

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冷えの症状に伴ってむくみがある場合は、手足や顔などに「水」が滞っている「水毒」の可能性があります。「水」の流れが悪いと、「血」の流れにも影響をおよぼし悪循環を招きます。とくに女性は筋肉量が少ないので、体に溜まった「水」を、筋肉のポンプの力で心臓に戻すことが苦手なため、むくみが起こりやすいといわれています。

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全身が冷えやすい人は代謝が低下し、エネルギーが不足している「気虚」の状態と考えられます。「気虚」は「気」を補う対処とともに、胃を温めて、胃腸のはたらきを良くすることが大切です。活力をアップするそば茶やコーン茶、黒豆茶などを温かくして飲むとよいでしょう。

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足や下半身が冷えているのに、頭や顔にのぼせがある場合は、「気」のめぐりが滞る「気滞」から上半身に気が集中する「気逆」が生じている状態なので、上半身に向かっている「気」をめぐらせて、下のほうにおろす必要があります。「気」のめぐりを良くする食材として、ミカン、ゆずなどの柑橘系のほか、タマネギ、ニラなどがおすすめです。タマネギは生で食べると「気」のめぐりを良くし、加熱して食べると冷えた体を温め、胃腸のはたらきを整えます。

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女性特有の症状別おすすめの漢方薬

加味逍遙散(かみしょうようさん)- 主に気逆、気滞を改善する漢方薬 -

イライラや落ち込みがある方に

こんな漢方薬です

生理周期に伴うイライラや不安感などの精神的な症状とともに、発作的なのぼせや頭痛、不眠症なども改善する漢方薬です。現代医学では原因のはっきりしない「不定愁訴」によく用いられます。症状がさまざまに変化する方にもおすすめです。漢方では、不定愁訴は、生命エネルギーの「気」や、全身に栄養分を運ぶ「血」のめぐりが悪くなったために起こると考えられています。「加味逍遙散」は気のめぐりを整え、「血」を補って十分にめぐらせることで、女性特有のさまざまな不調を改善していきます。

効能・効果

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症注)、不眠症
注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)- 主にお血、気逆を改善する漢方薬 -

生理痛や冷えのぼせ、肩こり、ニキビなどが気になる方に

こんな漢方薬です

「血」や「気」のめぐりが悪く、滞った状態で上半身がのぼせて、下半身が冷える場合におすすめの漢方薬です。また、漢方では、骨盤内で「血」が滞ると、それが生理痛の一因となると考えます。「桂枝茯苓丸」は「血」をめぐらせることで、生理痛のなどの症状を改善するほか、血行不良による肩こりや生理に伴い悪化する、ニキビやシミなどにも使われます。

効能・効果

比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症: 月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症注)、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)- 主に血虚と水毒を改善する漢方薬 -

冷え症の方で、めまいやむくみなどを伴う場合に

こんな漢方薬です

「血」の不足を補い、流れを良くし、体内の水分の偏りを調整することで体を温める漢方薬です。また、漢方では体の「水」のバランスが崩れると、めまいや頭重、むくみなどの症状があらわれると考えます。当帰芍薬散は「水」のバランスを整えることで、これらの症状を改善していきます。生理不順や生理痛などにも使われます。

効能・効果

体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

桃核承気湯(とうかくじょうきとう) -主に気逆とお血を改善する漢方薬 -

のぼせ感や便秘あり、イライラする場合に

こんな漢方薬です

「血」と「気」が滞り、のぼせている方の生理時や産後の精神不安を改善する漢方薬です。便秘を伴う方に向きます。生理不順や生理痛、腰痛の改善にも用いられます。便秘のない方が服用すると下痢をすることがあります。

効能・効果

体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症