ほっといてない? あなたの疲れやだるさ

ほっといてない? あなたの疲れやだるさ

普段、疲れやだるさに悩まされている女性は多いのではないでしょうか?「疲れ、だるさ」は、人によっては毎日のように感じているかもしれません。「動くとすぐに疲れる」「寝ても疲れがとれない」「元気が出ない」と、疲れ方は人によってそれぞれ違います。女性の疲れには、女性ホルモンによる特有の疲れがあるようです。

女性の疲れとは

普段感じる不調の第1位「疲れ・だるさ」

心身の不調はあっても、我慢して、いつも通り家事や仕事をこなしてしまう「隠れ我慢」。ツムラが全国20〜50代の女性10,000人を対象に行った調査(https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/survey/)では、女性の約8割が「隠れ我慢」をしていることがわかりました。

普段から感じている不調は、1位「疲れ・だるさ」(66.0%)、2位「冷え」(48.6%)、3位「イライラ感」(46.4%)。「疲れ・だるさ」は20代〜50代全ての年代において1位なっており、世代を問わず女性を悩ませていることがわかります。

また、心身の不調があっても、いつも通り家事や仕事を行っている20代〜50代女性1,000人を対象に実施した調査では、不調を我慢し続けたことで、体調を悪化した経験のある人は6割にものぼる実態が明らかになっています。

普段感じる不調TOP10 1位「疲れ・だるさ」(66.0%)、2位「冷え」(48.6%)、3位「イライラ感」(46.4%)

疲れとは

一般的な疲れとは、長時間の運動や労働をすることによって体に起こる生理的な現象をいいます。体が重い、だるいなどの全身の症状、肩や腰がこる、目が見えにくい、頭が痛いといった肉体的なものや、やる気が出ない、気分が落ち込む、集中力がないといった精神的な症状もあります。

漢方では、「気・血・水(き・けつ・すい)」の3要素が体内をめぐり、バランスをとる事で健康を保っていると考えます。これらのバランスが何らかの原因で乱れると疲れなどの不調が現れます。とくに「気」は血と水を統合する生命エネルギーと捉えられているため、疲れを回復するには、アンバランスになっている「気」を整えたり、補ったりすることが大切になります。また、体に栄養を運ぶ「血」も補う必要があります。

※体を維持するための3要素「気・血・水」
気(き):体をめぐっているエネルギーを表します。
血(けつ):血液や血液によって運ばれる栄養素、熱を表します。
水(すい):体内の液体のうち、「血」を除いたもののこと。


女性が「疲れやすい」原因

女性ホルモン

女性の体は、「7の倍数」の年齢を節目にして変わっていくと漢方では考えます。この『7の倍数』は、ちょうどホルモンバランスの変動が大きい時期や年代にあたり、より「疲れ」の症状に女性ならではの特徴が出やすくなります。

「7の倍数」による変化のなかでも、35歳頃からは体の機能が以前より低下しはじめ、「気」や「血」が不足したり、めぐりが悪くなったりします。体力の低下を感じて、疲れやだるさを自覚することが多くなります。さらに、42歳頃からは、仕事や家事、子育て、介護など肉体的な疲れだけでなく、精神的な疲れも多くなります。


ストレス

人間関係や仕事、家事・育児などでストレスがたまると、心の不調から疲れを感じやすくなります。肉体的な疲れなら、十分な休息や睡眠をとれば回復しますが、こうした精神的な疲れは、休んでもとれないことがあり、気力も低下しがちです。

精神的な疲れがあると、眠れないことも多くなるので、結果として十分に休めず、日中に肉体的な疲れやだるさが起こりやすくなります。


疲れを我慢しない

「疲れ」などの不調は、健康状態が低下していることを知らせるサインでもあり、我慢を続けていると大きな病気につながる可能性もあります。

疲れを感じたら無理をせず、意識して生活リズムを変えることが大切です。まず栄養をとり、ゆっくり体を休めるために、我慢しないで体をいたわるようにしましょう。それでも回復できない場合は、ほかの病気の兆候として現れている可能性もありますので、病院を受診してみることをおすすめします。

疲れと冷え症との関係

冷える人は疲れやすい

もともと冷え症の自覚がある方は、疲れやすさの自覚があることもわかっています。ツムラが行った女性の不調に関する調査において、冷えの自覚がない女性は、「疲れやすい・だるい」と回答した方が37.6%だったのに対し、冷えの自覚がある女性では、66%という結果がでています。
※全国20~69歳の女性11700人を対象にした不調に関するインターネット調査(2019年6月実施)

冷え症の女性が疲れやすいのは、「気」や「血」のめぐりが悪く、体を温める力が不足しているためだと考えられます。さらに、年齢を重ねると、「気」や「血」のめぐりが悪くなり、エネルギーを作り出す力、体に栄養をめぐらす力が弱くなってしまい、より疲れやすくなるのです。

なお、冷えの有無からみた不調の調査では、冷えのある女性に、疲れのほか、の肩こり、腰痛、ストレス、肌の乾燥、便秘、生理痛など17症状において不調の有訴率が高いことがわかっています。


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夏の疲れは冷えから起こる

現代は夏でも冷房が完備され、人によっては夏でも通勤電車やオフィスが寒くてつらいという方が増えています。冷えの自覚がある方はまだいいのですが、夏の暑さのせいで自分では冷えていないと思っていても、実は体は冷えていて、疲れ・だるさを引き起こしている場合もあるのです。

暑がりだからといって冷房で冷え過ぎてしまうのはNG。効き過ぎた部屋と真夏の屋外との温度差によって、体温を調節する自律神経のバランスが乱れると、疲れやだるさの原因になります。

また、冷たい飲み物ばかりを飲んでいると、胃や腸などの内臓を冷やしてしまいます。こうした体の冷えは胃や腸の消化機能を低下させるため、栄養素をしっかりとることができず、体力が低下して、夏バテしやすくなります。

疲れ・だるさのセルフケア

疲労回復のための生活習慣の改善

食事

疲労回復のための食事では、不足した「気」や「血」を補う食事を心がけましょう。「気」を補い、気力や体力をつけるオクラ、山芋、納豆などのネバネバした食べ物や雑穀類、ニンジン、トマト、赤ピーマン、鮭、牛肉、鶏のレバーなど「血」をつくる赤い食べ物がおすすめです。

また、疲れは蓄積するほど、「気」や「血」の不足を招き、ホルモンバランスや老化に関わる「腎」の働きを低下させます。腎のはたらきを補う食材としておすすめなのは、黒豆、黒ゴマ、のりなど黒い色の食べ物や魚介類などです。

※「腎」は、「心」「肝」「脾」「肺」「腎」と内臓のはたらきを大きく5つに分けた漢方の考え方である五臓のうちの一つ。ホルモン分泌や成長、水分代謝、造血機能などに関係している。五臓は相互に助け合ったり抑制し合ったりしながら心身のバランスを整えている。

ネバネバした食べ物 イメージ

運動

疲れやだるさがあるときは動きたくないもの。しかし、動かないでいると「気」と「血」のめぐりが悪くなり、疲れはなかなか回復しません。また、運動不足による筋力の低下は、冷えを招き、「気」や「血」のめぐりはさらに悪くなります。そこで、疲れやだるさを改善するために、下半身と太ももをよく動かして筋肉をつけていきましょう。少しずつ運動量を増やすと、「気」や「血」のめぐりが良くなり、熱をつくる筋肉を増やします。疲れがあるときは、ついゴロゴロしがちですが、少し体を温める程度に動いてみることも大切です。

運動 イメージ


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睡眠

「気」や「血」をしっかりと補い、スムーズにめぐらせるためには、十分な睡眠と休養が必要です。しかし、ストレスや心配ごとがあると、寝付きが悪くなり、寝不足になることがあります。寝不足をストレスに感じず、「こまめに休息すれば大丈夫」「短時間でも質の良い睡眠なら大丈夫」と考えるようにしましょう。


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入浴

「気」や「血」のめぐりを良くするには、下半身を温めるのが大切です。疲れやすい人は、湯船につかる習慣をつけるようにしましょう。温まって血行を良くすることで、全身に栄養を届けることが、疲労回復のポイント。温浴効果を高める入浴剤の使用もおすすめです。入浴には、体を芯まで温めることで血行を良くしてくれる効果があります。薬用入浴剤には、疲れや肩こり、腰痛を緩和するといった効能をもつ入浴剤を、ぜひ活用してみましょう。


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<おすすめの入浴剤はこちら>
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疲れないための工夫

体を疲れさせないためには、「気」と「血」を補うことが重要です。静かに落ち着ける時間をつくることも大切ですが、何もしないで気持ちが内向きになりそうなときは、体を積極的に動かしたり、おいしいものを食べたり、楽しく過ごすのも良いでしょう。

疲れ イメージ

仕事や家事では、がんばり過ぎることで、「気」を消耗してしまうことがあるため、活動のペースを落として、リラックスする時間をつくりましょう。それができないときは、深呼吸して、一拍おいてみるだけでもリラックス効果があります。疲れを感じた時は、甘いものを食べて気分転換をする、15分程度の仮眠をとるなどご自身にあったリフレッシュ方法を見つけておくのもおすすめです。

このほか、「血」のめぐりを悪くしないために、季節を問わず、冷えないようにしましょう。とくにおなかや下半身は冷やさないこと。胃腸のはたらきを良くして、体に栄養が十分に行き渡るようにすれば、疲れにくくなります。

疲れ・だるさにおすすめの漢方薬

食欲がなく、疲れやすい方に-補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

効能・効果

体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:
虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒

こんな漢方薬です

胃腸の消化・吸収機能を整えて、病気に対する抵抗力を高め、元気を補う漢方薬の代表です。治りかけのかぜに伴う倦怠感だけでなく、気力がわかない、疲れやすい、胃腸のはたらきが衰えている方、病後・産後で体力が落ちている、夏バテによる食欲不振などにも用いられます。

冷え症や貧血ぎみで疲れやすい方に-当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

効能・効果

体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

こんな漢方薬です

「血」の不足を補い、流れを良くし、体内の水分の偏りを調整することで体を温めるのが「当帰芍薬散」。やせ気味で体力のない人の足腰の冷え症などを改善します。

※体を維持するための3要素「気・血・水」
気(き):体をめぐっているエネルギーを表します。
血(けつ):血液や血液によって運ばれる栄養素、熱を表します。
水(すい):体内の液体のうち、「血」を除いたもののこと。