2020.05.01

漢方ブログ

便秘の原因は冷え症かも? 便秘改善におすすめの漢方薬

十分に体を動かすことができず、血行不良になると、これが「便秘」にも関係することをご存知ですか? 以前から便秘がちで、とくに「最近になって、便秘がひどくなった」という方、その悩みは冷え症からきているかもしれません。

「便秘」になりやすい腸の血行不良

冷えからくる「便秘」には、主に腸の血行不良が関係しているといわれます。

腸の血流は、自律神経によって調節されています。体が冷えていると、交感神経が優位にはたらき、末梢血管が収縮して血行が悪くなります。さらに、運動不足が加速すると、冷えによる腸の血行不良に追い打ちをかけ、便秘を引き起こしやすくなります。

とくに便秘になりやすい冷え症のタイプは、上半身は熱いが下半身が冷える「上熱下寒型」。気や血のめぐりが悪く、滞った状態で上半身がのぼせて、下半身が冷えやすくなります。顔のほてりによって、冷えとは気づきにくいのが特徴で、便秘以外に、イライラ、頭痛、顔のほてり、肩こり、肌荒れのほか、月経トラブルが起こることもあります。

「便秘」に使われる漢方処方

冷えからくる便秘におすすめの漢方処方はこちらです。便秘に効く漢方のなかでも、体のめぐりが悪くなっている方に適しています。

のぼせを伴う便秘に

漢方処方

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

効能・効果

体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症

こんな漢方薬です

血行不良などの血のめぐりとともに「気※」が逆流した状態「気逆(きぎゃく)」を改善する漢方薬です。「気逆(きぎゃく)」の特長的な症状にはのぼせ、めまい、イライラなどがあります。「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」は便秘のほか、のぼせがちな方や生理に伴うイライラ、生理不順、生理痛にも使われます。

※漢方でいう「気」とは「元気」の気で、生命活動を営む根源的な生命エネルギーのようなものを表します。

こちらの記事もチェック!

冷えなどが原因で腹痛を伴う便秘に

漢方処方

桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)

効能・効果

体力中等度以下で、腹部膨満感、腹痛があり、便秘するものの次の諸症:便秘、しぶり腹※

※しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。

こんな漢方薬です

「桂枝加芍薬湯」に「大黄」が加わった漢方薬です。胃やおなかが冷えている方やおなかがはって便が出し切れない感じがある方、腹痛をともなう便秘に適しています。

冷えからくる「便秘」を改善する生活習慣

冷えによる「便秘」を改善するには、腸の血行をよくすることが大切。お風呂で下半身をゆっくり温めたり、スクワットなどで下半身の筋肉を強化したり、簡単にできることから始めましょう。

また、「良くない習慣をやめてみること」もひとつの方法です。たとえば、長時間同じ姿勢を続けないこと、窮屈な下着や服を着ないこと、食事の栄養バランスに気をつけること、などです。冷え症さんはとくに、水分の摂り過ぎや冷房などにも注意してください。もちろん冷たいもののとり過ぎにも気をつけましょう。

こちらの記事もチェック!

「便秘」におすすめの食べ物

ハトムギ茶、ソバ茶など雑穀系のお茶は、腸の運動を活発にすると言われています。また、リンゴ、バナナ、ヨーグルト、イモ類なども腸内環境を整えるのによいとされています。

腸によいとされる食材

雑穀系のお茶、リンゴ、バナナ、ヨーグルトなど

最新記事