キレイな人は温め上手 ~石原新菜先生に聞く~ 第2回 我慢しがちな不調を“温め習慣”で改善!

キレイな人は温め上手 ~石原新菜先生に聞く~ 第2回 我慢しがちな不調を“温め習慣”で改善!

漢方薬の処方を中心とした内科医・イシハラクリニック副院長の石原新菜先生をお迎えしてお送りする本シリーズ。第2回は、病院に行くほどではない不調を“隠れ我慢”する女性の悩みを改善するための温活ポイントについて、先生のエピソードを交えてお伺いしました。

運動不足が冷えをまねく!

先生のもとを訪れる患者さんに多くみられるお悩みには、どんなものがありますか?

うちに来る患者さんの多くが「冷え症」に悩まれていますね。割合として多いのが30代~50代の女性で、「冷え症」のほかに「PMS(月経前症候群)」や「生理不順」、「更年期障害」を訴える方が中心です。それに付随して、「疲れやだるさ」「イライラ感」も感じている方がいらっしゃいます。なかには睡眠不足による一時的な疲労や、多忙による慢性的な疲労もあると思うのですが、全体的には、冷え症などの悩みの原因に、体力不足も影響しているのではないかと考えています。

体力不足とは、つまりは運動不足ということでしょうか?

そうですね。普段から運動していている人は、体力もありますし、運動することがストレス解消にもつながっているんです。私もそうなんですが、そういう人は、血行も良く、身体の熱をつくり出す筋肉もあるので、冷えを感じにくいですし、忙しくて疲れても、それをダメージとして感じることが少ないように思います。

疲れている女性 イメージ

ですが、運動の習慣がない人、体力がない人は、疲れやすいうえに、「疲れて帰ると動けない」「次の日会社に行くのがつらい」といった悪循環に陥りがちで、気持ちもネガティブになりやすい傾向があるように思います。気持ちがぶれてネガティブにならないためにも、運動の習慣をもつことが大切ですね。

運動の習慣がないまま、冷えを我慢してしまうと、どうなるのでしょうか?

東洋医学の観点から見ると、たとえば下半身の冷えは、血液が上半身に溜まっている状態で、イライラ感、PMS、更年期の症状にもつながるものです。

冷えからくる不調をもつ人は、おなかから下が冷たくなっていることが多いように思います。この状態が続くと、平熱も徐々に低くなっていく傾向があります。

おしり、太もも、ふくらはぎは筋肉が多い部位で、毛細血管も張り巡らされており、血液が集まって循環する場所でもあるのですが、運動しないと血液も活発には巡らない状態が続くことになります。運動不足に加えて、閉経した人では子宮や卵巣に血液が集まることもなくなります。その分、上半身に血液が集まりやすくなるため、のぼせやほてり、イライラ、動悸、不眠や不安感といった症状として出てきてしまうことが考えられます。

石原 新菜 先生 ランニング 画像

若いうちから、運動の習慣をもつことが大事なんですね。

そうなんです。20代~30代の頃から運動の習慣がないまま過ごし、10年、20年と体が冷えやすい状態のまま我慢してしまうと、PMSやイライラが長年続き、更年期になると症状として出てきやすいと考えられます。ですが、こうした症状は、体を動かして上半身に集まった血液を下ろせば軽減できます。実際に、更年期障害を訴えた患者さんに、漢方を処方するほかに、ウォーキングや軽いジョギング、山登りなどをすすめてしばらくたつと、症状が改善したと報告してくださいますね。

基本的には、健康を保つために適切な生活習慣を維持することが根幹にあって、漢方薬は、不調のときに取り入れる、という考え方です。

よくある悩みと処方

よくあるお悩みには、どのような漢方薬が使われるのでしょうか?

患者さんの証によって処方は異なるので、一概には言えませんが、傾向としては次のような感じでしょうか。

色白でむくみやすい女性に多い、生理痛、生理不順、生理周期に伴い起こる精神的な不調、肩こり、頭重などの症状や貧血気味の方には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が考えられます。

めまい、肩こり、頭重、血が滞っている感じの人には「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、胃の調子が悪い人は「安中散(あんちゅうさん)」、冷えはそれほどなくて疲れやすい人や夏バテしている人には「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などです。

また、気分が落ち込むとまではいかないけれど「のどに何かがひっかかる感じ、つまる感じ」がある人は、気の流れが滞っていると捉え、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」という漢方薬が使われることがわりとありますね。

石原 新菜 先生

新菜先生の不調体験

先生も、20代のときから体が冷えないよう気を付けていらっしゃったのでしょうか?

高校生までは、父の方針で、体を温めるための生活習慣に気を配っていました。具体的には、毎朝にんじんリンゴジュースを飲んで、夏でも腹巻きでおなかが冷えないようにし、入浴もシャワーだけで済ませず湯舟につかって汗をかく、温かい紅茶にすりおろしたしょうがを入れる「しょうが紅茶」を飲むといったことです。

ですが大学進学後は、忙しさで運動不足や睡眠不足になり、勉強の合間にはコーヒーを飲む、成人してからは友人と飲みに行くといった生活をしていました。でも、そんな生活を続けていたら、生理不順になってしまって、慌てて高校生までの生活習慣に戻したら不調が治まったんです。

そうした私自身の経験もあるので、冷えなどの不調で悩んで、「病院に行くほどではないから」「みんな同じ不調を抱えているから」といった理由で我慢している人も、生活習慣を変えていけば、今悩んでいる不調がなくなることに気づいてもらえるようお話ししています。

今日から始められる冷え対策は?

手軽に始められる冷え対策には、どんなものがありますか?

手軽に始められるのは、「飲み物や食べ物の種類・量に気を付ける」「体を冷やさないようにする」といったことですね。

人の体は、ケガをすれば傷口をふさぐ、傷んだものを食べたらおなかを下して外に出す、というように、絶えず、不調を治して健康な状態を保とうとしていますよね。それと同じように、体が冷えたら温めて元に戻そうとするのも「よくなろう、よい状態を保とう」という営みの一つですから、それを妨げないようにすることです。

先ほど、先生はにんじんリンゴジュースを飲まれているというお話がありましたが、なぜでしょうか?

にんじんリンゴジュース

子どもの頃から父にすすめられて飲んできた「にんじんりんごジュース」は、にんじんが体を温める根菜、りんごは寒い地域で採れる果物で、体を温める「陽性食品」なので、生で飲んでも体が冷えにくいジュースなんですよ。健康のためにフレッシュなジュースを飲みたい方におすすめです。

健康のために、フレッシュな野菜を使ったスムージーを飲むことを習慣にしている人もいますが、冷え症さんにはおすすめできません。スムージーの材料は、体を冷やす青菜やバナナなどの「陰性食品」が多く、さらに氷も入っています。筋肉量が多く、体温の高い欧米人にはちょうどいいんですが、筋肉量の少ない日本人が飲むと体を冷やしてしまうんです。

にんじんリンゴジュースの作り方

材料(コップ3杯程度)

  • にんじん2本
  • リンゴ1個

作り方

  1. にんじんをよく洗い、適当な大きさに切る。
  2. 皮や種はそのままで、ジューサーにかける。

※ミキサーやブレンダーでも作れます。

<キレイ実践②>新菜先生をマネして美しくなりましょう!

「ジャパニーズスーパーフーズは最強!」

お味噌汁

体を温める味噌や納豆などの“ジャパニーズスーパーフード”もおすすめです! 味噌や納豆は、良質なたんぱく質に、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。とくに味噌がもつ健康パワーに注目するようになってからは、クリニックのランチで欠かさずお味噌汁を飲んでいます。もちろん体を温めるショウガもたっぷり入れて。汁物が苦手な方は、「陽性食品」の根菜などに味噌をつけて食べる方法でもいいですよ。

石原 新菜 先生 プロフィール

イシハラクリニック 副院長。食事指導、漢方薬の処方を中心とした診療を行う。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄から、講演やメディア出演も多数。さらに、執筆活動も行うなど幅広く活動中。
オフィシャルサイトはこちらから


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