冷え症(冷え性)と上手につきあう 温 the LIFE

冷え症[冷え性]のメカニズム

冷え症[冷え性]のメカニズム

「冷え症」または「冷えている状態」は、体にいったいどのようなことが起こっているのでしょう。体温調節のしくみや、自律神経との関係を探ります。

体温調節のしくみ

私たちの体は、食べたものを胃や腸で消化・吸収し、これをもとに筋肉や内臓などで、常に熱を産生しています。そして産生された熱は、血液の流れによって全身に運ばれます。体温調節は、脳の視床下部にある体温調節中枢が司令塔となり、熱の産生や放散を増減することによって行われています。

人が寒い環境にさらされた場合、体温中枢は自律神経に、皮膚の表面から熱を外に逃がさないようにする指令を送り、必要以上に体温を下げないようにします。このとき、皮膚の毛細血管を細くして、血流を減らすことで、皮膚表面からの熱の放散を少なくしています。また、熱をより多く産生する必要が出てくると、自律神経から指令を受けた骨格筋が収縮し、ふるえを起こすことで熱をつくり出したりします。

体温調節のしくみ イメージイラスト
寒いとき 必要以上に体温を下げないようにする 1皮膚表面から熱が逃げないようにする→皮膚の毛細血管を細くして、血流を減らす 2熱をつくり出す→骨格筋が収縮し、ふるえを起こす

しかし、胃腸のはたらきが弱っていたり、過度なダイエットなどで食事制限をしていたりすると、熱をつくるために必要な量の栄養素を体に供給できないので、熱を十分に産生できません。

冷え症[冷え性]と自律神経

体温調節は、栄養素をもとに内臓や筋肉がつくり出した熱を血流に乗せて全身に送り、また、体温が上がり過ぎた場合は、皮膚表面に血液を送って過剰な熱を放出するという、血液循環による効率的なシステムによって行われています。ここには自律神経が大きくかかわっています。たとえば、熱や栄養素を運ぶ血液が少なかったり、自律神経の乱れで血流が滞ったりすると、体温調節は正常に行われません。

このように、寒いときは体温を上げ、体が冷えているときは体温を下げようという中枢神経や自律神経のはたらきがうまくいかなくなると、身体に異常を感じるようになり、急に汗をかいたり、冷えやすくなったりします。とくに、疲労や睡眠不足、ストレスなどがあると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

体温中枢→自律神経→熱の産生や放散 体温中枢→自律神経の乱れ→毛細血管が過度に収縮し、血流量が必要以上に減少

自律神経の不調による冷え症は、体温調節のしくみが正常にはたらかず、体の表面の毛細血管が過度に収縮し、血流量が必要以上に減少して起こります。また、体は熱の産生量が少なくなると、内臓の温度を一定以上に保つため、血液の温度を下げる手足への血流を減らそうとします。冷え症の人は体温調節が正常に行われないので、普通の人が寒いと感じない気温でも、季節に関係なく手足や全身などに冷えを感じてしまいます。

とくに夏場は、冷房によって室温と外気との温度差が10℃近くになることも。屋外と屋内の行き来が多くなれば、ひんぱんに熱の産生と放出とを繰り返さなければならず、当然、自律神経に負担がかかってきます。その結果、体温の調節機能が低下して、冷えを感じやすくなります。